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The Chartered Institute of Public Finance and Accountancy, Japan Branch


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Ⅲ 地方監査会計技能士

日本の地方自治体が直面する深刻な財政状況は、政府によるマクロの地方財政(Local Finance)政策だけで解決できる問題ではありません。地方交付税や補助金をいくら増加しても、地方自治体が有効な公共財務管理(Financial Management)の体制を構築しなければ、財政悪化に歯止めをかけることは困難です。
地方自治体に有効な公共財務管理の体制を構築するには、新地方公会計改革や公共施設等の総合管理計画に加えて、緻密なコスト(原価)計算や公管理会計システムの構築、事業や施策の効率性や有効性をチェックするVFM監査(行政監査・行政評価)の実施、不正を予防する内部統制と内部監査の構築、監査委員監査の強化、基金や歳計現金の運用(資金管理)、そして、財政状況とその対応策住民にわかり易く伝える報告システム(統合報告:Integrated Reporting)の確立などが求められます。
こうした課題に対応できる公共財務管理に専門性を有する専門人材の育成は、わが国自治体では非常に遅れています。地方監査会計技能士制度は、この部分に特化した人材育成を目的としています。

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◇ 財政局長は全員勅許公共財務会計士等

地方自治法第151条の規定により、英国の地方自治体は財務管理の専門的な資格(CIPFAのCPFAなど)を有する者を財政局長(CFO:Chief Financial Officer)に配置しなければなりません。英国自治体のCFO(わが国の財政局長や財政課長を部下に持つ総務部長に相当)は、日本の自治体の財政局長/会計管理者/監査委員事務局長/内部統制推進監の諸機能をすべて一人で務める自治体職員No.2のポストです。自治体職員No.1のポストは事務総長(Chief Executive)ですが、このポストにも多くのCPFAが在職しています。英国では、辞令があっても資格がなければ財政局長に就任することはできません。公共の財務管理に専門性を有する人材を各所に配置することで、英国の自治体では公共財務管理の向上を目指しています。

◇ わが国自治体にも公共財務管理の専門家を

CIPFA 日本支部が認定する地方監査会計技能士(LGAAT:Local Government Audit and Accounting Technician)は、CIPFAのCPFA制度を参考に、わが国自治体における公共財務管理の専門家を養成する目的で創設されました(2014年7月18日)。有能な公共財務管理者には簿記/会計/監査/内部統制/資金管理等に関する専門的知識が求められます。CIPFA日本支部は、地方監査会計技能士の制度を通じて、公共財務管理に精通した自治体関係者(特に地方自治体職員)の育成に取り組んでいます。